こんにちは、足と靴について研究中の理学療法士tajaxです。
今回は、理学療法学科の学生さん向けに、レポートとレジュメの決定的な違いについてお伝えしていきます。
●この記事の信頼性
▶︎記事を書いている私は、現在病院で勤務している理学療法士です。
▶︎まだ6年目のため経験不足ではありますが、定期的にバイザーとして学生さんの指導を行っています。
●このブログをみて得られるメリット
① レポートの重要性が分かる
②レジュメで不十分な点が分かる
・目次
・レポートとレジュメの決定的な違いとは?
・なぜ2019年以降はレポートが廃止されたのか
・自主的に先輩のレポートもみてみましょう。
・今後の学生さんは、自己研鑽が必須です。
・レポートとレジュメの決定的な違いとは?
▶︎では、早速結論を言いますと
レポートは患者さんが問題としている全ての動作について、統合と解釈・考察を書く
レジュメは最低限の動作に対する統合と解釈・考察のみになる
▶︎わかりづらいので簡潔に言うと、
レポート=患者さんに対する全ての情報を考察
レジュメ=レポートの一部のみ切り取り
と言う事になります。
例を挙げると
基本情報:
70代女性 左大腿骨頸部骨折(γネイル)
もともと独歩 ADL IADL自立
入院して1w時の活動制限:
・歩行器歩行器見守りレベル
・立位バランス能力低下
・トイレ動作修正自立
・更衣(下半身)軽介助
・浴槽移乗 中等度介助
・階段昇降 軽介助レベル
・炊事動作、家事動作困難
⬆︎このような患者さんの評価をした場合、
レポートであれば検査の結果から、
・なぜ歩行器見守りレベルなのか
・なぜ更衣に介助がいるのか
・なぜ現在家事動作が出来ないのか
などなど
全ての活動制限に対する統合と解釈を記載します。
一方、レジュメのみで作成すると
・なぜ歩行器見守りなのか
⬆︎これ1つを記載するのみで、大概レジュメで書ける文字数いっぱいになります。
しかし、この患者さんが在宅に帰るためには、
歩行以外に
・更衣(下半身) ・トイレ動作
・階段昇降 ・浴槽移乗
・家事動作、炊事動作
これらが必要になります。
レジュメのみの作成になると、これらの動作については統合と解釈を全く行わなくてもOKになります。
何が言いたいのかというと、レジュメのみでは、1つの動作のみにしか注視出来ない視野の狭い理学療法士になる危険性があるということです。
そうでなくても、単純に作成枚数が全く違ってくるので、1人の患者さんに対する思考過程のボリュームは全く変わってきます。
(レジュメではA4 2枚、レポートだと20〜50枚くらい)
単純な枚数だけ考えても、学生のうちからそれだけの内容を解釈出来る人間と、そうでないと人間では、だいぶ能力に差が出ると思われます。
・なぜ2019年以降はレポートが廃止されたのか
▶︎ほとんどの学校がレポートを課題として提出させなくなったのは、
実習における学生さんの過度な負荷を軽減させるためです。
近年の臨床実習について記載した記事はこちら↓
もちろん、学生さんの負担が減ることに対しては私も大賛成ですし、今後もこの流れの方が良いと思います。
ただ、現実として、
レポートを作れる理学療法士と
レジュメのみしか作れない理学療法士とでは、
どうしても差が出る思います。
・自主的に先輩のレポートもみてみましょう。
▶︎学校に在籍していると、必ず過去の先輩のレポートを持っている人がいます。
その人に頼んで、一度レポートを見て下さい。
粗雑な文章を書いている先輩もたくさんいるとは思いますが、中には必ずしっかり丁寧に書いている先輩がいます。
その先輩のレポートと、自分が実習で作成したレジュメを比べてみてください。
同じ学生同士なので、クオリティの差は大きくはないかもしれないですが、レポートの方が絶対的に、思考内容が多いと思います。
・今後の学生さんは、自己研鑽が必須です。
▶︎前回記事と着地点が全く同じになってしまいましたが、これに尽きると思います。
▶︎今後、課題としてレポートを作成する学生さんがほとんどいなくなると思われます。
しかし、レポートで記載していた思考過程は、実際に現場で働く上で必須になっていきます。
そのため、出来る限り自分でレポートについて勉強してみて下さい。
必ず得るものがあると思います。
以上、今回はこれで終わります。最後までお読み頂きありがとうございました😊
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