こんにちは、足と靴について研究中の理学療法士tajaxです。
今回は、『知っておきたい ヨーロッパ流 子供の足と靴の知識』という書籍の簡単なまとめを行いたいと思います。
日本においても、足と靴の意識は徐々に高まりつつある印象を受けますが、まだまだ諸外国と比較すると認識の低下が目立ちます。
この本は、長年の研究に基づいた、子供の足と靴についての知識が集約されていますので、簡単にまとめてお伝えしたいと思います。
目次
●正しい長さの靴を履いている子供はたった3%
●足は歩くと長くなる?
●足の成長の流れ
●子供は、靴が短くても足を合わせてしまいやすい。
●靴を買い替える間隔の目安
●靴のサイズチェック方法
●子供の靴のサイズは最低足より12ミリ、最大17ミリ。
●子供の98%が、健康な足で産まれてきます。
●靴の寸法は、内側が一番大切です。
●小さな足の発達に一番良いのは、裸足で歩くこと。
●正しい長さの靴を履いていた子供は3%?
▶︎オーストラリアでの調査プロジェクトにて、このような研究結果が出ました。
驚くことに、子供の97%は適したサイズの靴を履いていなかったのです。
内訳すると
⇒子供の69%が短すぎる外履きを履いて、88%が短すぎる室内履きを履いていた。
とのことです。
つまり、〝子供の靴のサイズは、ほとんどが短過ぎる〟ということになります。
⇒また、同研究プロジェクトでは、
「短い靴を履いていた子供の大部分に、はっきりとした足の変形がみられた。」
という結果も出ています。
これらの結果をまとめると、
▶︎子供の靴は短過ぎるものが大半であり、殆どの子供が足が変形する可能性が非常に高い。
ということが言えます。
他国による調査ではあるものの、靴の歴史が特に短い日本では、さらに劣悪な結果が出る可能性もあるため、本当に気をつける必要があるかと思います。
●子供は、靴が短くても全然気にしません。
▶︎子供は、指が靴に当たっていても全然気になりません。
理由は2つあります。
①子供の足は柔らかいため。
▶︎子供の足の骨はまだ成熟しておらず、軟骨という柔らかい骨で出来ています。そのため、ある程度の圧迫であれば足が靴に合わせるように変形してしまいます。
②神経系が未発達であるため。
▶︎子供は神経系の発達がまだ未熟であるため、靴によって足が圧迫されている感覚も、大人より分かっていません。
そのため、子供は短い靴を履いていても平気なのです。
⬆︎上記の理由から、子供は短い靴でも全然気になりません。よって、子供の靴選びは、本人の感覚で選ばずに、親がしっかり確認して選ぶようにしましょう。
●足の成長の流れ
⇒子供の脚軸はO脚を経てX脚になり、やがてまっすぐになります。
2歳頃まではO脚であるのが普通で、これを生理的O脚といいます。
3歳になると徐々にX脚になり、5歳頃になると脚はまっすぐになっていきます。
足が最終段階の形に整うまでに、16年かかるそうなので、それまでは少し変動があるようですね。
実際、ウチの子供も現在2歳3ヶ月(令和元年11月現在)で、O脚から少しづつX脚方向に移行しているので、一応上述した流れにそった成長をしています。
そのため、一般的には16歳までは著しい変形がなければ、O脚やX脚の状態でも問題ないと言われています。
しかし、実際にインソールを作成していると、16歳を過ぎた高校生なども、完全に真っ直ぐになっている人はいません。(正確にはわずかなX脚が正常の形です)
よって、脚の形の変動が激しい子供であっても、その形が本当に正常な成長なのかは、親がしっかりみていく必要があります。
●靴のサイズのからくり
▶︎オーストリアでの研究結果では、靴の表示サイズと、内寸が一致している靴は、全体のわずか3%であったそうです。
この結果から考えると、靴のサイズ表記のみで靴を判断するのは、危険であると言えます。
実際に履いてみて、保護者がそれぞれしっかりチェックするということが、とても大切になってきます。
●靴下も大事
⬆︎この図のように、サイズの合っていない靴下を履いていただけでも、足指の変形は起こります。
靴下のサイズも大変重要なので、注意して頂けたらと思います。
●子供の足に必要なこと
▶︎子供の足に必要なこととは何でしょうか。
子供の足は、まだ骨・筋肉・神経系いずれも未発達です。
そのため、どんどん足裏の感覚を刺激して、筋力をつける鍛える必要があります。
どんなに良い靴を履いていても、神経系の発達という意味では裸足に勝るものはありません。
そのため、子供は室内などの足裏を怪我しないような環境では、どんどん裸足で遊び回ることが必要です。
また、室内履きをずっと履いていると、運動量の多いお子様は水虫になりやすくなるので、それについても注意が必要ですね。
●子供の98%が、健康な足で産まれてきます。
重篤な足の障害があるお子様を除くと、98%の子供が健康な足で産まれてきます。
しかし、大人になると40%が足にトラブルを抱え、そのうち12%が手術を受けないといけなくなります。
⬆︎これらの数字は、非常にショッキングな内容ですね。
では、なぜ健康であったはずの子供の足は
大人になると様々なトラブルを抱えるのでしょうか。
これについては、様々な原因が考えられますが、その中でも真っ先に改善できるのは靴選びだと思います。
他の記事にて、各シーンでの靴選びのポイントをお伝えしておりますので、宜しければご参照下さい。
それでは、今回の記事はこれで終わります。
最後までご覧頂きありがとうございました😊
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