内腹斜筋の筋トレ(リハビリ、高齢者、起始停止、鍛え方)

リハビリ

こんにちは!今回は、内腹斜筋のトレーニングについて、文献を元に記載していきます!!

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・内腹斜筋のトレーニングについて、文献を一気見出来る

目次 

・内腹斜筋の解剖

・内腹斜筋の作用、働きについて

・触診方法、筋電図はどこにつける?

・内腹斜筋のトレーニング方法

・まとめ

・内腹斜筋の解剖

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【文献①】

(起始・停止)

起始:胸腰筋膜、腸骨稜、鼠径靭帯

停止:第 10 から第 12 肋骨、腹直筋鞘と白線

横行下部線維:鼠径靭帯、腸骨稜から起始し、骨盤内を横方向に走行 した後、腹直筋鞘に停止

斜行線維:上前腸骨 棘から腸骨稜にかけて起始し、斜め上方へ腹直筋鞘に向 かって走行

横行上部線維:体幹後方の胸腰筋膜から起始し、第 10 肋骨から第 12 肋骨に停止

↑細かく分類すると3つに分けられます。

繊維の違いによって役割も少し異なります↓

・内腹斜筋の作用、働きについて

【文献①】

▶︎ 一側の活動では体幹の同側回旋 ・ 側屈作用▶︎両側の活動では体幹屈曲

▶︎立位での側方体重移動においては、移動側の内腹斜筋横行下部線維が活動するとされている

▶︎この内腹斜筋 横行下部線維の活動は、立位での側方体重移動により移動側の下肢への荷重量が増加した際に、移動側寛骨に上方の力が加わるとともに仙骨には脊柱を介して胸郭、頭 部、両上肢の重みと移動側寛骨と下肢の重みにより下方 へ力が加わる。

▶︎これに伴い移動側の腸骨と仙骨からなる 仙腸関節に対して上下の剪断の力が生じ、この上下の剪断力から仙腸関節を安定させるためには、内腹斜筋横行 下部線維が活動するとされている

▶︎座位での側方体重移動においては、非移動側の内腹斜筋斜行線維が活動するとされている

▶︎座位での側方体重移動における非移動側の内腹斜筋斜行線維の活動 は、座位での側方移動に伴い移動側股関節の外転による 骨盤の移動側への傾斜と体幹の非移動側への側屈が起こ るが、このときの体幹の非移動側への側屈に関与すると 報告されている

【文献③】

▶︎腹圧の調整および胸腰筋膜に働きかけることで体幹の安定化させる役割がある。

▶︎上部線維:胸郭を固定することで姿勢を安定

▶︎中部線維は腹圧を高めることで姿勢を安定

【文献④】

▶︎座位での骨盤前後傾中間位保持に ともない、両坐骨を介した座面からの両寛骨にかかる反 力と、仙骨が脊柱を介して胸郭、頭部、両上肢の重みによ り座面方向へ下げられようとする力が生じると考えることから、両側の仙腸関節では剪断力が働いていると考える。

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▶︎これに対して腹斜筋の活動は、両側腸骨稜を結ぶ線より下部の内腹斜筋の横方向線維がその剪断力を防ぐ作用として関与すると考える。

▶︎虚脱座位における両側腸骨稜を結ぶ線 より下部の内腹斜筋の横方向線維の活動は、直立座位よ りもその活動が減少する傾向を認めた。これについては骨盤が後傾位であることから、仙腸関節に生じる剪断力が減少することにともなう活動の低下と考える。

▶︎直立位における腹斜筋の筋活動については、 とくに両側腸骨稜を結ぶ線より下部の腹斜筋(内腹斜筋 の横方向線維の活動を反映)が関与する。直立位では両下肢支持にともない、両大腿骨頭と両臼蓋を介して両寛 骨には床からの反力がかかり、これとともに仙骨では脊柱を介して胸郭、頭部、両上肢の重みにより床面方向へ 下げられようとする力が生じると考えることから、両側 の仙腸関節では剪断力が働くと考える。

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▶︎両側 腸骨稜を結ぶ線より下部の外腹斜筋については、筋線維 が斜走していることを考慮すると、仙腸関節に生じる剪断力を防ぐ作用としての関与は少ないものと考える。

▶︎両側腸骨稜を結ぶ線より上部の内 ・ 外腹斜筋について は、直立位において胸腰椎の生理的弯曲が保たれることにともない、胸郭と骨盤間の長さを保つための一定の筋緊張を維持する程度の活動が必要になると考える。

▶︎立 位での側方体重移動保持時の側方体重移動側の腹斜筋の活動、および側方体重非移動側の腹斜筋の活動は、とくに 両側腸骨稜を結ぶ線より下部の内腹斜筋の横方向線維の活動が主となる結果となった。

▶︎これについて、体重移動保持によって移動側下肢支持となることにともない、 大腿骨頭と臼蓋を介して、移動側寛骨には反力がかかる と考える。

▶︎これとともに仙骨では脊柱を介して胸郭、頭 部、両上肢の重みと非移動側の寛骨と下肢の重みにより 床面方向へ下げられようとする力が生じると推測するこ とから、移動側の仙腸関節では剪断力が働くと考える。

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▶︎さ ら に 非 移 動 側 に つ い て は 非 荷 重 で あ る こ と か ら 、 非移動側下肢と寛骨が床面に落ちようとする働きが生じ、 非移動側の仙腸関節にも剪断力が生じていると考えられ る。

▶︎これらの要因に対し、両側腸骨稜を結ぶ線 より下部の内腹斜筋の横方向線維が、仙腸関節の剪断力 を防ぐ作用として関与すると考える 。

↑役割について簡単にまとめると、

・体幹回旋(片側)

・体幹屈曲(両側)

・内腹斜筋横行下部線維:仙腸関節の安定性

 ▶︎立位での左右重心移動

・内腹斜筋斜行線維

 ▶︎座位での左右重心移動(非移動側)

・横行上部線維:胸郭の安定

 

・中部繊維:腹圧をコントロール

↑こんな感じでしょうか?

教科書上にある動作よりも、体幹の安定という役割の方が重要そうですね!

※文献により筋繊維の呼称が異なりましたので、分けてそのまま記載しています。 

▶体幹が固定出来ると、自ずと姿勢アライメントが良くなります。

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・触診方法、筋電図はどこにつける?

【文献①】

▶︎Ng らは、内腹斜筋の筋活動が単独で反映される電極 貼付位置は、上前腸骨棘を指標とし、両側の上前腸骨棘 を結んだ線の下方2 cm水平線上の若干内側としている。

▶︎鈴木らは、内腹斜筋斜行線維の電極貼付位置は上前腸骨棘直上であり、外腹斜筋斜行線維が上層に位置すること を前提としたうえで、内腹斜筋斜行線維の筋活動につい ての評価をおこなうことができるとしている

▶︎したがってこれらの報告から、表面筋電図計測において外腹斜筋 の筋活動によって生じる筋活動電位に影響されること なく、内腹斜筋の筋活動が反映できる電極の貼付位置は、 内腹斜筋横行下部線維のみとなる。

▶︎内腹斜筋横行下部線維の筋活動を単独 で反映する電極貼付位置は、上前腸骨棘の2 cm下方、4 cm 内側である可能性が今回の研究から示唆された。

▶︎また、 本研究の結果において Ng ら の報告における表面筋電 図計測にて内腹斜筋の筋活動を単独で反映するとされて いる上前腸骨棘の2 cm内下方では内腹斜筋が描出されない被験者を認めた。

↑とのことです。

被験者によっては検出されない場合もあるみたいなので、その辺りは注意が必要ですね!!

・腹横筋のトレーニング方法

▶︎では、文献をもとに具体的なトレーニング方法について記載していきます。

【文献②】

▶︎内腹斜筋は、膝立ちの同側回旋で最も活動し、対側でも回旋活動が高まる。

▶︎体幹回旋の主動作筋としての働きと、体幹回旋時に姿勢を中間位に保持しようとする固定筋としての働きによるものが考えられる。

▶︎骨盤周囲、体幹が不安定なうえに、足関節での姿勢制御が制限される膝立ちでは、とくに内腹斜筋を活動させ骨盤周囲の安定性向上を図っていると考えられる。安静時の各肢位の比較では体幹筋の活動量に有意差が認められないことから、内腹斜筋の活動量を増大させるためには、座位・膝立ち・立位の各肢位をとるだけでなく、体幹回旋を行なうことが最も有効であり、とくに膝立ちでの動作が有効であると示唆された。

【文献④】

▶︎虚脱座位を呈することにより 腹斜筋の筋活動に低下が伺える患者に対し、腸腰筋によ る骨盤前後傾中間位保持のための股関節屈曲作用と、胸 腰椎伸展筋による胸腰椎伸展活動を促したうえで、両側腸骨稜を結ぶ線より下部の内腹斜筋の横方向線維による 両側の仙腸関節に生じている剪断力を防ぐ活動と、両側腸骨稜を結ぶ線より上部の内 ・ 外腹斜筋における一定の筋緊張が得られているかを評価する必要があると考える。

▶︎直立位における腹斜筋の筋活動 を考えていく場合、とくに両側の仙腸関節に生じている剪断力を防ぐ作用として関与する両側腸骨稜を結ぶ線 より下部の内腹斜筋の横方向線維の活動を評価し、アプ ローチをおこなう必要がある。

▶︎両側腸骨 稜を結ぶ線より上部の内 ・ 外腹斜筋については、胸腰椎の生理的弯曲が保たれることにともない、一定の筋緊張 が維持できていることが大切であり、その筋の領域の張 りを見た目や触診にて確認し、評価とアプローチをおこ なう必要があると考える。

▶︎歩行の立脚期に腹斜筋や多裂筋、最長筋、腸肋筋の筋 緊張異常により、骨盤周囲、胸腰部に不安定性を認める 患者に対し、著者らは立位での側方体重移動練習を実施 している。

▶︎この立位での側方体重移動練習をおこなうに あたり、前項で示した直立位保持にともなう両側腸骨稜 を結ぶ線より下部にあたる内腹斜筋の横方向線維の活動 の獲得は、立位レベルでの活動性向上を図るうえで必要 不可欠になると考えている。

【文献⑤】

▶︎下部体幹筋のトレーニング前後の筋活動を比 較することで股関節周囲筋に与える影響を調査

▶︎一側下肢を側方へ踏み出す動作にて、下部腹筋と股関節 周囲筋の筋活動を記録。

▶︎そして片側の内腹斜筋のみトレー ニングを行い、その後同様の動作中の筋活動を記録した。

▶︎筋力トレーニングは EMG フィードバッ クをしながら、内腹斜筋以外の筋収縮がないよう注意しつつ 行った。

▶︎筋活動量の比較では、検査側の内腹斜筋及び対側の内転 筋で、トレーニング後に有意に大きくなる傾向があった。

▶︎筋活動の増加は、すでに荷重 負荷の急激な増加が起こる接踵時より以前にみられており、負 荷に対する予測的活動として増加したものと推測される。

【文献⑥】

▶︎トレーニング動作

1)MMT3 の動作(腹斜筋)

2)座位両下肢拳上

3)座位左下肢拳上し右上肢で抵抗

4)座位両下肢大腿遠位部を 両上肢にて下方押し 5)座位右上肢を背もたれに固定し体幹左回旋

6)立位左下肢拳上し右上肢抵抗,

⭐️結果
▶︎腹直筋は,1)3)4)で 40%MVC 以上の筋活動が認められ,それぞれ 2)5)と有意差が認められた(p<0.05)。2)6)の動作間 では有意差は認められなかった。

▶︎右外腹斜筋は,1)で 40%MVC 以上の筋活動,3)4)5)6)で 70%MVC 以上の筋活動が認め られた。2)と他の動作,1)と 6)の動作で有意差が認められた(p<0.05)。3)4)5)6)の動作間で有意差は認められなかっ た。

▶︎左内腹斜筋は,5)6)で 40% 以上の筋活動,3)4)で 70% 以上の筋活動が認められた。2)の動作と 3)4)5)6)の動作, 1)の動作と 3)4)の動作で有意差が認められた(p<0.05)。3)4)5)6)の動作間,1)の動作と 5)6)の動作でも有意差は認 められなかった。

▶︎Hettinger らの報告によると筋力増強効果を得るためには 40%MVC以上の筋活動を必要とし,全ての筋線維を動員して強化す るためには 70%MVC 以上の筋活動を必要とされている。また等尺性収縮の場合,負荷強度は最低でも 40%MVC 以上で 15~20 秒間,70%MVC 以上で 6~10 秒間必要とされている。

▶︎腹直筋は 3)4)の動作を 15~20 秒間実施することで筋力増強効果が得られる可能性がある。

▶︎腹斜筋群は 3)4)5)6)の動作を 6~10 秒間実施することで筋力増強効果が得られる可能 性が示された。

▶︎腹斜筋群は背臥位でのトレーニング方法よりも 3)4)5)の動作が簡便かつ効果的で,高齢者にとっ て負担が少ないトレーニング方法となりうる可能性が考えられる。

↑トレーニング方法について簡単にまとめると、

【文献⑦】

▶︎膝関節 90°屈曲位の背臥位における片側の股関節内外旋の等尺性収縮、及びクランチと片側下肢自動伸 展挙上(ASLR)における体幹筋の活動を比較。

▶︎右内腹斜筋の活動電位は、右股関節内旋 20.8 ± 11.6%と左股関節外旋 13.7 ± 9.0%(p < 0.001)、右外腹斜筋は右股関節外旋 11.6 ± 9.2%、左股関節内旋 11.2 ± 9.2%( p < 0.001) で最も高い値を示した。

▶︎右腹直筋はクランチ 17.2 ± 7.3% (p < 0.001)、右多裂筋は右 股関節内旋 25.7 ± 13.4%と左股関節外旋 22.8 ± 12.5%( p < 0.001) で高い値を示した。

▶︎片側股関節の内外旋運動はクランチや ASLR よりも有意に同側の内腹斜筋と多裂筋、対側の外腹斜筋を活動させる ことが示された

▶︎これは、片側の股関節の回旋運動に抗して骨盤・ 体幹を安定させるためにカウンターとして、体幹筋群の活動が必要 とされるためである。

▶︎片側の股関節内外旋の負荷を利用した運動は、 下肢と体幹を連動させる通常の運動に近似した筋活動を促すトレー ニングとして利用可能と考えられる。

【具体的方法】

・座位左下肢拳上し右上肢で抵抗

・座位両下肢大腿遠位部を 両上肢にて下方押し

↑これらを6〜10秒キープ

・座位右上肢を背もたれに固定し体幹左回旋

・立位左下肢拳上し右上肢抵抗,

↑これらを15〜20秒キープ

・背臥位での片側下肢内外旋の等尺性ex(膝90°屈曲位)

【その他の方法】

・あらかじめ内腹斜筋の収縮を促す(EMGフィードバック)と、その後の動作時に筋活動が得やすい。

(一側下肢を側方へ踏み出す動作)など

↑おそらく、立位での左右への重心移動などでも効果あり?

・膝立て位での同側の体幹回旋は、立位や座位でのexよりも効果が高い

↑こんな感じですかね。

・まとめ

▶︎今回は、内腹斜筋のトレーニング方法について記載しました。

▶︎若年者のトレーニングはもっと負荷の強いものが多いと思いますが、高齢者では前述したトレーニングくらいがちょうど良いのかなと思います。

▶︎それではこれで終わります。

最後までお読み頂きありがとうございました😊

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【文献①】引用:渋谷ら.Tilt table を使用した受動的立位における 傾斜角度変化が腹筋群・下肢筋活動に与える影響.理学療法科学 35(3):467–470,2020

【文献②】引用:松田ら.内腹斜筋の筋活動向上を目的にした体幹筋アプローチ法の検討.第26回関東甲信越ブロック理学療法士学会.2007

【文献③】引用:吉川ら.姿勢変化に伴う内腹斜筋上中部線維の活動.Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)2009

【文献④】引用:大沼ら.体幹研究と理学療法.関西理学 13: 11–22, 2013

【文献⑤】引用:平川ら. 体幹筋トレーニングによる姿勢安定化の検討— 下部腹筋トレーニング前後での股関節周囲筋群の筋活動の比較 —Vol.34 Suppl. No.2 (第42回日本理学療法学術大会 抄録集)2007

【文献⑥】引用:遠藤ら.6 種類のトレーニング方法における腹直筋・腹斜筋活動の比較 ~高齢者に対する腹筋トレーニング方法の提案~.第50回日本理学療法学術大会2015

【文献⑦】引用:中井ら.股関節内外旋運動が体幹筋に及ぼす影響.Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)2018

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