こんにちは、足と靴を専門的に研究している理学療法士tajaxです。
今回は、腰痛を悪化させる靴の特徴についてお伝えしていきます。
全般的な足に良い靴の選び方について知りたい方は、
をご覧ください。
●この記事の信頼性
▶︎記事を書いている私は、運動の専門家である理学療法士(国家資格:6年目)であり、解剖学・運動学・生理学を基本とした知識・経験があります。
▶︎さらに足と靴の専門機関にて2年間学んできましたので、足・靴に対する知識は豊富です。実際の靴作りも行っていたので、構造的なこともお伝えできます。
●このブログをみて得られるメリット
①腰痛について、簡単な概要がわかる
②腰痛を悪化させる靴の特徴が分かる
目次
・腰痛のメカニズムとは
・腰痛の原因
・腰痛を悪化させる靴の特徴
①カカトが高過ぎる
②ウエストラインが細い
③靴底が柔らかく過ぎる
④カカトが角張っている
⑤靴底の付け根部分が固過ぎる
●腰痛は国民病?
▶︎腰痛を訴える方はかなり多く、平成28年の国民生活基礎調査によると自覚症状の中で腰痛が男性第1位,女性第2位となっています。
▶︎人数にすると約2800万人。国民の4人に1人は腰痛があるという計算になります。
●腰痛の分類
▶︎腰痛といっても様々な原因があり、大きく2つに大別されます。
①特異的腰痛
▶︎診察や画像所見にて原因が特定できる腰痛のことをいい、全体の約15%がこれにあたります。
具体的には、腰痛椎間板ヘルニア、脊椎圧迫骨折、脊椎分離すべり症、脊柱管狭窄症などです。
②非特異的腰痛
▶︎腰痛の中でも、原因のはっきりしない腰痛のことをいいます。全体の約85%がこれにあたります。
非特異的腰痛になる要因としては、
・姿勢不良・動作不良などによるメカニカルストレス
・心理的要因、社会的要因
の2つが挙げられます。
心理的、社会的要因とは、ストレスや不安・うつ・生活環境によるものなどです。
また、腰痛に限らず、国際疼痛学会(IASP)は、痛みの定義を下記のように挙げています。
「実際の、または潜在的な組織の損傷に起因する、または起因するものと類似した嫌悪性の感覚的および感情的経験。」
つまり、痛みとは感覚的・感情的な経験なので、実際にケガなどがなくても、痛みが出現するということです。
⬆︎上記に挙げたように腰痛とは、様々な要因があります。
靴によって改善できる要因としては、非特異的腰痛の中でも①メカニカルストレスによるもの
のみになります。
※今回、腰痛を悪化させる靴の特徴を述べるのですが、あくまでも腰のメカニカルストレスが強くなるものを挙げているということをご了承ください。
▶︎では、下記に特徴をお伝えします。
このような特徴の靴を履いている方は、履き替えを検討して下さい。
・腰痛を悪化させる靴の特徴
①カカトが高過ぎる
▶︎靴のカカトが高過ぎると⬆︎のような姿勢になります。
この状態では、
①つま先に体重が集中することで、足のアーチが落ち込み、外反扁平足や外反母趾になりやすくなる。
②さらに、姿勢を維持させるために、反り腰になりやすくなる。
⬆︎この2つが生じる可能性が高くなるので、要注意です。
②ウエストラインが細い
▶︎靴底のウエストラインが細いことでも、足の変形を助長させる危険性があります。
図 普通の足 外反扁平足
⬆︎上の図は、足のハンコであるフットプリントです。赤いラインが立っている時に体重を支持する面積になります。
ご覧頂くと分かるように、変形のない足では土踏まずの部分が地面に付いていないのに対して、外反扁平足では土踏まずも地面に付いています。
扁平足や外反扁平足などの方がウエストラインの細い靴を履くと、土踏まず部分が支えられなくなり、さらに足の変形が加速します。
▶︎自分の足の形を確認してみて、上記の足と似ているようであれば、ウエストラインの細い靴は出来るだけ履かない方が無難ですね。
③靴底・インソールが柔らか過ぎる
▶︎靴底・インソールが柔らか過ぎると、足裏は気持ちが良い感じはするのですが、足元が不安定になるため、それにより膝や腰に負担がかかる可能性があります。
⬆︎上の図のように、手で簡単に捻れるような靴も、靴底の強度が弱いためオススメ出来ません。
④カカトが角張っている
▶︎ヒトは、歩く際に特に関節に負荷がかかるタイミングがあります。
それは①初めにカカトが着く瞬間
②足指の付け根で蹴り出す瞬間
⬆︎この2つです。
足に良い靴は、カカトが着く瞬間の衝撃を吸収するため、靴のカカトが丸くなっています。
これにより、床からの衝撃を吸収し、各関節への負担を軽減させています。
一方、カカトが角張っているような靴は、上手く衝撃の吸収が出来ないため、関節への負担は増強します。
これについては、腰に限らず股関節・膝関節にも負担がかかるため、要注意です。
⬆︎この写真のように、カカトが後方に広がっている靴も、同じく衝撃吸収がしにくいので、靴選びのポイントにして下さい。(この靴はウエイトリフティング用の靴なので問題ありませんが…)
⑤靴底の付け根部分が固過ぎる
▶︎先程挙げた、歩く際に関節に負荷がかかるタイミングの2つ目に、「足の付け根で蹴り出す瞬間」があります。
足の付け根部分が固くて曲がりにくいと、付け根で蹴り出す際に過度に関節に負荷がかかり、腰痛の一因にもなります。
▶︎関節に負荷が少なく、スムーズに蹴り出しするためには、下図のように付け根からつま先までが転がりやすい形状になっている必要があります。
以上、腰痛になりやすい靴の特徴について記載しました。
もし腰痛がある方で、上記の特徴に当てはまる靴を履いている人 方がいましたら、買い替えを検討下さい!
最後までお読み頂きありがとうございました😊
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