こんにちは、足と靴について研究中の理学療法士tajaxです。
今回は、『なぜ現代人は足が変形しやすいのか!?』というテーマで、お話させて頂きます!
●この記事の信頼性
▶︎記事を書いている私は、運動の専門家である理学療法士(国家資格:7年目)であり、解剖学・運動学・生理学を基本とした知識があります。
▶︎さらに足と靴の専門機関にて2年間学んできましたので、足・靴に対する知識は豊富です。実際の靴作りも行っていたので、構造的なこともお伝えできます。
●このブログをみて得られるメリット
①足についての基礎的な知識が理解できる。
②靴の歴史的な側面を知ることができる。
目次
・足って誰でも変形するの?
・なぜ現代人は足が変形しやすいのか?
①日本の靴の歴史が浅い▶︎知識不足
②子供の運動不足による足の筋力低下
③部活動による成長過程での足への過負荷
④地面が土からコンクリート、アスファルト中心になった為
●足って誰でも変形するの?
『足の変形』って聞くと、どうしても特別なことのように感じますよね!
もちろん人によって程度の違いはありますが、
実は大人の99%はすでに足が変形しています。
私は職業柄、今まで様々な方の運動指導をしたり、インソールを作成したりしています。
その中で、本当にたくさんの足をみてきましたが、誰一人として変形が全くない足はありませんでした。
なぜそれだけ変形している人が多いのか、あくまで私見ですがお伝えしたいと思います。
●なぜ現代人の足は変形しやすいのか?
大きく分けると、以下の4つがあげられると思います。
①日本の靴の歴史がまだまだ浅い
▶︎ 全国的に正しい靴の知識がまだ少ない。
②子供の運動不足による足の筋力低下
③部活動による成長過程での足への過負荷
④地面が土からコンクリート、アスファルト中心になった為
①日本の靴の歴史がまだまだ浅い
Q:日本人は、いつ頃から靴を履き始めたかご存知ですか?
A:諸説ありますが、始めに靴を履き出したのは、かの有名な坂本龍馬(1836年〜1867年)と言われています。
⬆︎こんなものが売っているみたいです。
出典:http://www.ok-coffee.com/boots.php
靴の作りはよく分かりませんが、記念撮影には良いかもしれないですね😄笑
しかし、その頃はまだまだ草履が中心でしたので、大衆に広まるのはまだまだ先のことです。
坂本龍馬は特別新しいもの好きだったということですね。
Q :大衆に広まったのは、いつ頃から?
A :一般家庭にまで広く広まったのは、終戦後の1950年代です。
なので日本の靴歴史は約70年となります。
これを聞くと、だいぶ長いように感じますが靴の先進国であるドイツは約500年〜600年の歴史がありますので、だいぶ差がありますね。
▶︎結果、何が言いたいかというと、
〝日本はまだまだ靴の正しい知識が広まっていない〝ということになります。
そのため、足に合わない靴/足に良くない構造の靴を履いてしまうため、結果的に足も変形してしまいます。
※日本とドイツの靴事情を徹底比較!!
▶︎http://tajax.hatenablog.com/entry/2020/05/10/192534
②子供の運動不足による筋力低下
▶︎これについては、周知の事実かと思います。
文部科学省が昭和39年からおこなっている「体力、運動能力調査」によると、
「子供の体力、運動能力は、調査開始以降昭和50年ごろにかけては、向上傾向が顕著であるが、昭和50年ごろから昭和60年ごろまでは停滞傾向にあり、昭和60年ごろから現在(平成12年)まで15年以上にわたり低下傾向が続いている。」
とされています。
引用 :http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/attach/1344530.htm
※スポーツ庁の調査によると、この10年間での推移では、少しずつ体力が向上しているとのことですが、親世代と比較すると体力、運動能力の低下は明らかです。
一旦話が戻りますが、そもそも足の変形は、主に3つのアーチ機構の異常により起こります。
足のアーチは靭帯と筋肉により保たれているため、運動不足になると当然筋力が低下し、足の変形を助長させます。
そのため、これだけでも昭和を生きてきた大人よりも、現代の子供の方が足が変形しやすいと言えます。
●誰でもなりやすい足の変形についてはこちら→http://tajax.hatenablog.com/entry/2019/09/12/225041
③部活動による成長過程での足への過負荷
▶︎②に挙げたように、子供の体力、運動能力、筋力が低下しているのは間違いありません。
ただ、それにもかかわらず中学校になると大半の生徒が部活動に入り、急激に運動量が増加します。
もちろん、筋力を向上させることで足のアーチが保たれるのでトレーニングは大切ですが、問題となるのは元々の筋力と負荷量のギャップです。
脆弱な足に過負荷を加えると、足の変形を招くのは容易に想像出来ます。
特に、1989年に学習指導要領が変更になった際に、事実上部活動が必須になってしまったのも要因かと思われます。
※現在はもちろん必須ではないですが、まだまだその風潮は根強く、部活動の加入割合は現在も高いです。
引用: https://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/bitstream/10086/19250/3/shakaikg0030300010.pdf
④地面が土からコンクリート、アスファルト中心になった為
コンクリートが日本で広く舗装されるようになったのは、戦後1948年にGHQによる道路舗装の政策が行われた頃からです。
さらに加速させたのは、田中角栄「日本列島改造論」による公共事業の促進です。
このように、戦後からコンクリート、アスファルトの地面がほとんどになったので、日本の歴史的に考えてもまだ70年くらいです。
土とコンクリートを比較すると、もちろんコンクリートの方が硬いです。
しかし、日本人の足はコンクリートほどの固い地面に慣れていないので、足が耐えきれずに変形してしまいます。
まとめ
▶︎私見がかなり含まれましたが、以上が日本人のほとんどが足に変形を生じている理由です。
①日本の靴の歴史が浅い▶︎知識不足
②子供の運動不足による足の筋力低下
③部活動による成長過程での足への過負荷
④地面が土からコンクリート、アスファルト中心になった為
↑正直なところ、これらの要因が解消されることは、今後ほとんどないように思います。😂
テクノロジーの進化によりさらに子供の筋力が低下するのは明らかですし、これから地面が土に戻ることもないですよね💦笑
そのため、今後現代人が足の変形を予防するには、『足の変形を助長しない靴選びをする』ということだと思います。
※全般的な足に良い靴の選び方について知りたい方は、
をご覧ください。
※お子さんがいらっしゃる方は、足に良い子供靴のレビューも行っていますので、ぜひ購入の参考にして下さい!
●靴のレビューサイト【靴ログ】はこちら↓
以上で終わります。最後までお読み頂きありがとうございました😊
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