半月板損傷とは(症状、原因、ロッキング、リハビリ、手術、半月板断裂、半月板ずれる)

リハビリ

こんにちは!今回は、半月板損傷についてまとめていきます!!

後半は文献も交えて記載していきます!

 

○管理人プロフィール

▶足と靴専門の理学療法士(8年目)。新人教育担当。理学療法士になる前に、足と靴の専門学校にて2年間学んできましたので、足・靴に対する知識は比較的豊富です。

▶実際の靴作りも行っていたので、構造的なこともお伝え出来ます。(ニーズがあるのかは不明)

✔本記事の内容                                    ・半月板損傷とは?                      ・損傷のタイプ                           ・治療方法                                ・その他文献

・半月板損傷とは?

半月板には主に3つの役割があります。

①クッション作用                                             ▶内圧の均等化、滑液の分散                               ②スタビライザー(膝の安定)                                               ▶関節の適合性を良好にする                                  ③可動性を適切にする

▶このような役割があるため、半月板が損傷すると

・膝の可動性低下(クリック音、キャッチング)                               ・ロッキング(損傷した半月板は挟まる)          ・運動時痛、荷重時痛                        ・関節水腫(膝に水がたまる)

↑このような状態になります。

・損傷のタイプ

▶変性断裂、水平断裂、縦断裂、横断裂に分類されます。

▶加齢などによって半月板が変性すると、軽い負荷の繰り返しで生じることもあります(変性断裂)。

▶半月板損傷をそのまま放置していると、変形性膝関節症に移行する可能性もあるので要注意です。

・治療方法

半月板損傷の治療には、「保存療法」と「手術療法」があります。

【保存療法の適応】                                  ・損傷の程度が低くロッキングがない                 ・変性断裂であり、本人が手術を希望しない場合

保存療法としては、

・薬物療法:消炎鎮痛剤                       ・ヒアルロン酸注射(変性断裂)                      ・運動療法                                ・物理療法(アイシングなど)

↑これらが挙げられます。

【手術療法の種類】                                  ・切除術:損傷した半月板の一部を切除                                 ・縫合術:損傷・断裂した半月板を縫合

▶ロッキングなどが改善しない場合に実施。

・その他文献

 

【半月板損傷時の痛みの理由】                                             ・内側半月板には神経線維が少ない▶半月板逸脱が疼痛に関与している可能性あり。                                     ・内側半月板逸脱は、膝関節内側部の衝撃吸収を破綻させ,内側大腿脛骨部の荷重負荷を増大させる                                ・半膜様筋に対して運動療法を行うことで、半月板逸脱が減少する。

詳細については、以下参照下さい↓

【文献①】

▶内側半月板(medial meniscus;以下MM)自体に神経線維は少ないため,内側半月板損傷は他の要因が影響している可能性があり,その一つに内側半月板逸脱(medial meniscus extrusion:以下MME)がある.

▶先行研究で内側半月板損傷の荷重時痛は、荷重下MMEの逸脱量が3mm以上で影響すると報告している.本症例も3mm以上の逸脱を認め,逃避性跛行の影響で屈曲拘縮膝を呈していた.そこで,今回,MMに停止腱を持ち,屈曲拘縮膝に関与する半膜様筋(semimembranosus muscle;以下SM)に着目し,徒手療法前後の動態変化に伴い可動域,荷重下MMEの逸脱量,荷重時痛がどう変化しているかについて報告する.

▶伸展制限は,徒手療法前-10.5度,荷重下MMEの逸脱量3,4mm,荷重時痛NRS10/10,徒手療法後-3,1度,荷重下MMEの逸脱量1,8mm,荷重時痛NRS0/10と変化し,SMの動態では徒手療法前は動態が乏しく,徒手療法後は屈曲時から伸展時に表層内側方向へ移動し面積は拡大した.

【文献②】

▶内側半月板逸脱(medial meniscus extrusion:以下MME)は内側半月板付着部の損傷や伸長によって内側半月板がより内側に逸脱する現象で,膝関節内側部の衝撃吸収を破綻させ,内側大腿脛骨部の荷重負荷を増大させる。

▶内側半月板の逸脱量が3mm以上の6名をLarge群,3mm未満の10名をSmall群に分類した。

▶Large群,Small群ともに,内側半月板逸脱量は臥位よりも立位で有意に大きかった。

▶VAS値はLarge群がSmall群より有意に高く,KOOSのpain scoreはLarge群がSmall群より有意に低かった。

【半月板損傷後の早期OAには歩行が有用】                       ・緩徐な歩行運動は,骨細胞死の減少とともにTRAP陽性破骨細胞活性に起因する軟骨下骨嚢胞を縮小させる。                                ・軟骨下骨の治癒が歩行運動によってなされることで,その直上の軟骨に加わる力学的,化学的ストレスを緩和させ,膝OAの進行予防に一部寄与。

詳細については、以下参照下さい↓

【文献③】

▶変形性膝関節症(膝OA)は膝関節痛やこわばりを主訴とする代表的な運動器疾患である。その病態の中心は関節軟骨の摩耗・変性であるが,近年では病態の認識が改まり,発症早期より生じる軟骨下骨の変化が,関節軟骨の退行性変化を助長している可能性が指摘されるようになった。我々も同様の認識から,半月板損傷モデルラットを作成し,その早期から軟骨変性と軟骨下骨嚢胞が共存していることを明らかにした

▶半月板損傷後に発症した早期膝OAに対する緩徐な歩行運動は,骨細胞死の減少とともにTRAP陽性破骨細胞活性に起因する軟骨下骨嚢胞を縮小させることが明らかになった。つまり,半月板損傷後に生じた損傷軟骨下骨は可逆的な状態にあり,自然飼育のみでは進行する一方,歩行運動によって治癒することを示している。軟骨下骨の損傷により形成された陥没は,関節軟骨に加わるひずみを増大させる要因となるだけでなく,関節軟骨-軟骨下骨間の炎症性サイトカインの交通を介してOAを進行させることが知られている。したがって,軟骨下骨の治癒が歩行運動によってなされることで,その直上の軟骨に加わる力学的,化学的ストレスを緩和させ,膝OAの進行予防に一部寄与しうることが示唆された。

 

▶今回はこれで終わります!

▶最後までお読み頂きありがとうございました!

 

【参考・引用文献】

・公益社団法人 日本整形外科学会

・関節治療オンライン

・文献①:上岡ら.半膜様筋の動態評価に基づく内側半月板損傷者の屈曲拘縮膝に対する運動療法の試み:~運動療法前後で荷重下の内側半月板逸脱量は変化するのか?~.九州理学療法士学術大会誌 2019(0), 4-4, 2019

・文献②:石井ら.内側半月板損傷者における荷重下の内側半月板逸脱が疼痛に及ぼす影響.Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)2017

・文献③:飯島ら.運動負荷は損傷した軟骨下骨を治癒させ変形性膝関節症の進行予防に寄与する-二次性変形性膝関節症モデルラットを用いたin vivo研究-Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)2015

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