上腕三頭筋の起始・停止(トレーニング、ストレッチ、期間、筋電図)

リハビリ

こんにちは!今回は、上腕三頭筋についてまとめていきます!!

 

後半は文献も交えて記載していきます!

○管理人プロフィール

▶足と靴専門の理学療法士(8年目)。新人教育担当。理学療法士になる前に、足と靴の専門学校にて2年間学んできましたので、足・靴に対する知識は比較的豊富です。

▶実際の靴作りも行っていたので、構造的なこともお伝え出来ます。(ニーズがあるのかは不明)

✔目次                                    ・上腕三頭筋の起始、停止                        ・上腕三頭筋の役割               ・筋電図の貼り付け位置                      ・アナトミートレイン            ・上腕三頭筋のトレーニング方法                    ・上腕三頭筋のストレッチ                    ・まとめ

・上腕三頭筋の起始、停止

起始

長頭:肩甲骨関節下結節、

外側頭:上腕骨近位の後外面、

内側頭:上腕骨中部の後内面

停止

肘頭

↑このように、上腕三頭筋は文字どおり3つのパーツに分かれており、作用が異なります。

→上腕三頭筋内側頭、外側頭は単関節筋であり、長頭は2関節筋になります。

↓以下、文献参照ください。

【文献①】

臨床において,上腕三頭筋のMMT( Danielsら)での筋力は問題ないにも関わらず,肩関節挙上動作で肘関節伸展が困難な例を少なからず経験する.

また上腕三頭筋内側頭,外側頭は,いわゆる単関節筋であり二関節筋ではないにも関わらず,肩関節挙上角度の違いで筋出力が異なることもしばしば経験する,

・上腕三頭筋の役割

上腕三頭筋の作用は以下の通りです↓

・全体:肘伸展                                           ・長頭:肩の後方挙上と内転                  ・長頭:肩甲骨外転、上方回旋

以下文献参照ください↓

【文献②】

上腕三頭筋の筋活動は内転方向かつ伸展方向で高値を示すこと,挙上角度や外転角度が増すにつれて低値となることを示したが,野球経験者においては投球側の筋活動が非投球側,野球未経験者であるコントロール側より大きく,挙上位での上腕三頭筋筋活動は繰り返しの投球により運動学習されたものであることが示唆された.

【文献③】

上肢前方挙上位では上腕三頭筋長頭の筋収縮が起始部である肩甲骨関節下結節を肘頭に近づけるよう作用し,肩甲骨関節下結節を上腕骨頭の形状に合わせて肘頭の方向へ引き出すことで,肩甲骨では外転および上方回旋運動のような肩甲骨肢位の変化にも関与すると考えられる.

・筋電図の貼り付け位置

各文献にて記載している筋電図の貼り付け位置は以下のとおりです↓

【文献④】

上腕三頭筋は後腋窩壁 より4横指遠位部

↑文献を確認していると、長頭や内側頭などを分けて貼り付けしているものは見当たりませんでした。(内側頭は深部にあるので困難だと思われますが・・・)

アナトミートレイン

▶上腕三頭筋は以下の筋連結に関連しています。

【深後腕線:ディープバックアームライン】

肩甲挙筋▶菱形筋▶棘上筋▶棘下筋▶小円筋▶上腕三頭筋▶尺骨骨膜▶小指球筋群

●深後腕線の特徴

・インナーマッスルを多く含む                           ・頸部、胸部アライメントに関与(インナー活動低下→アライメント異常など)

↑このように、上腕三頭筋はインナーマッスル(棘上筋、棘下筋)にも関与します。

・上腕三頭筋のトレーニング方法

▶上腕三頭筋の作用として、

・肘伸展

・肩伸展、内転

↑これらの作用があります。そのため、上記の運動をすることが基本的がトレーニングとなります。

【肘伸ばし運動】

①少し身体を傾けて、肘を曲げます。

②その体勢のまま、ゆっくり肘を伸ばします。

※重りなどを使用して、負荷量を調節します。

【腕振り運動】

▶これは、歩行時の腕のフリを意識したトレーニングです。

↑横から見た図

↑後ろから見た図

▶肩を伸展させながら、同時に内転させることがポイントです。

▶このとき、肩外旋した状態で行います。

※↑このように、普段から歩いているときに腕を振っていれば、自然と上腕三頭筋が鍛えられます。(その他、筋連結してる筋も付随して強化されます。)

 

以下文献参照ください↓

【文献①】

測定6肢位は,すべて前腕回外位で前額面挙上4肢位(最大屈曲位,90度屈曲位,0度位,伸展20°位),矢状面挙上2肢位(最大外転位,90度外転位)とした.測定筋は,上腕三頭筋内側頭,外側頭,三角筋後部線維,棘下筋の4筋とした。

今回の結果から,上腕三頭筋訓練として行われている肩関節挙上位での肘関節伸展訓練は,上腕三頭筋内側頭,外側頭の筋出力に乏しく,棘下筋を主とした肩関節外旋筋の筋出力が高くなることが示唆された.

また上腕三頭筋内側頭については,肩関節内転かつ伸展方向に筋出力が高値を示すことが示唆された.

肩関節挙上位の動作で上腕三頭筋内側頭の機能改善を促す場合には,上腕三頭筋内側頭の筋機能を十分に理解した上で反復した運動学習を行うことが重要となると考える.

【文献④】

主動作筋の上腕二頭筋では40%以降に有意な筋活動の増加がみられ,拮抗筋の上腕三頭筋では50%以降に有意な筋活動の増加がみられた。

Saito らは,屈曲90°位での膝関節等尺性屈曲運動において主動作筋であるハムストリングスと拮抗筋である大腿四頭筋の筋活動量が最大随意収縮力の25%から相関関係にあったと報告しており,主動作筋の活動が高まると同時に拮抗筋の活動も高まることを示唆している。

主動作筋への負荷量が増大すると,主動作筋からの感覚性入力も増加する。その入力信号の中で,拮抗筋の活動増加に関与するものは,主動作筋の腱紡錘から起こるIb 線維由来の脊髄反射である。

50%以上の強度で行う等尺性運動では,腱紡錘の活性化が Ib 線維を介して拮抗筋支配の α 運動神経の活動を亢進させ,拮抗筋の共同収縮が生じたと考えた。

・上腕三頭筋のストレッチ

【上腕三頭筋の緊張で起こる弊害】                       ・肩関節屈曲制限                          ・肩甲骨外転→円背

↑このように、三頭筋が硬いと弊害が起こります。

【具体的なストレッチ方法】

①伸ばす方の腕と逆の手で、肘を掴みます。

②肘をしっかり曲げながら、腕を引き寄せます。(深呼吸しながら30秒キープ)

※筋肉の付着を意識しながら行います。

【倹約の法則】※文献⑤

▶神経系は、与えられた関節活動のコントロールを行ううえで可能な最小限の筋あるいは筋繊維を活性化させる。

▶小さい抵抗では、三頭筋内側頭が活動

▶大きい抵抗では、多関節筋の長頭が活動

↑このように、負荷によって活動筋が異なるので、トレーニングの際は考慮する必要があります。

・まとめ

▶今回は、上腕三頭筋についてまとめてみました!

▶上腕三頭筋は筋力低下してても、固くなっていても生活に弊害が生じるので、いずれも注意が必要ですね!

 

今回はこれで終わります。最後までお読みいただきありがとうございました!☺

 

【文献①】小山ら.肩関節肢位の違いにおける上腕三頭筋内側頭の筋活動について.Vol.37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集).2010

【文献②】葛山ら.肩関節肢位の違いによる上腕三頭筋の筋活動について-野球経験者に着目して-Vol.37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集)2010

【文献③】楠ら.上腕三頭筋長頭の電気刺激による筋収縮が 肩甲骨肢位に及ぼす影響.理学療法科学.2018 年 33 巻 1 号 p. 77-81

【文献④】佐藤ら.肘関節屈曲筋力漸増に伴う肘関節周囲筋の筋活動の変化. Japanese Journal of Health Promotion and Physical Therapy Vol.4,No.1:37-41,2014

【文献⑤】筋骨格系のキネシオロジー.医歯薬出版株式会社

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